肥満症
肥満症
肥満症(ひまんしょう)とは、単に体重が重い「肥満」とは異なり、脂肪組織の過剰な蓄積によって健康障害(合併症)を引き起こしている、またはそのリスクが非常に高く、医学的な治療が必要な「疾患(病気)」です。
日本における診断基準や、その背後にある複雑な病態の仕組みについて分かりやすく解説します。
日本の基準では、以下のように明確に区別されています。
なぜ脂肪が増えると病気になるのでしょうか。その原因は大きく分けて2つのメカニズム(病態)があります。
① 代謝性・分泌性の病態(内臓脂肪の悪影響)
内臓の周りに蓄積する「内臓脂肪」は、単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。実は、さまざまなホルモンや生理活性物質(アディポカイン)を分泌する巨大な内分泌器官です。
脂肪細胞が肥大化・悪化すると、この分泌バランスが崩れ、全身に悪影響を及ぼします。
② 物理的・解剖学的な病態(ウエイトによる負荷)
増えすぎた体重や脂肪の「重さ」「体積」そのものが、物理的に体を圧迫することで起こる病態です。
日本肥満学会のガイドラインでは、肥満(BMI 25以上)に加えて、以下の11の健康障害のうち1つでも合併している場合に「肥満症」と診断されます。
| 分類 | 具体的な健康障害(合併症) |
| 糖・脂質代謝 | ① 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常) ② 脂質異常症 |
| 血管・循環器 | ③ 高血圧 ④ 高尿酸血症・痛風 ⑤ 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症) ⑥ 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA) |
| 内臓・消化器 | ⑦ 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患など) |
| 生殖・婦人科 | ⑧ 月経異常・不妊 |
| 呼吸器 | ⑨ 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群 |
| 運動器 | ⑩ 運動器疾患(変形性膝関節症・股関節症・変形性脊椎症) |
| 腎臓 | ⑪ 肥満関連腎臓病 |
(※厚生労働省 e-ヘルスネットや各医療専門情報に基づく )
肥満症の治療目標は、美容目的の減量とは異なり、「健康障害(病気)の改善・予防」にあります。
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