糖尿病
糖尿病
下の項目に該当することがあれば、ぜひその下の内容もご確認してください。
・健康診断などでHbA1c値や血糖値が高いと指摘された
・身内に糖尿病の治療を受けている方がいる
・トイレの回数が増えた
・めまい、立ちくらみをおこしやすい
・のどが乾くようになった
・目がかすむ、視力が低下した
・足がむくむ
上記のような項目に一つでも該当される方は糖尿病の可能性があります。糖尿病は特に自覚症状を感じることが少なく、知らない間に病状が進行することが多いです。些細なことでも構いませんので、上記のような項目に該当される方はお早めに当院へご相談してください。
糖尿病とは何らかの原因で血糖値を下げてくれるインスリンが十分に働かないために、血液中の血糖値が高くなってしまう慢性疾患です。血糖値が高いまま放置されていると、身体全体の血管が傷つき、様々な合併症が引き起こされます。血糖値を適切に管理し、糖尿病による合併症を防ぐことが、糖尿病治療の主な目的となります。
糖尿病は「症状が出現しにくい」という大きな問題点がありますので、自身が糖尿病であることに気づくのが遅れてしまう方もいらっしゃいます。糖尿病も他の病気と一緒で、早期の段階で発見し、早急に治療介入することができればその後の健康状態の改善が期待できます。症状を感じていなくても、血糖値が高い・HbA1c値が高いと指摘された場合はお早めにご相談ください。糖尿病の治療においては血糖値やHbA1c値が高くなっている原因を特定し、定期的な診療や検査を受けることが大切になります。
日本糖尿病学会が作成した糖尿病ガイドラインでは、糖尿病の診断基準として『血糖値』と『HbA1c』があります。
・空腹時血糖値:126 mg / dL 以上
・75g経口ブドウ糖負荷試験:200 mg / dL 以上
・随時血糖値:200 mg / dL 以上
・HbA1c:6.5 % 以上
糖尿病の診断については採血検査を行います。採血検査時に、上記の通りHbA1c値と血糖値の両方とも基準値を超えている場合は糖尿病と診断されます。また、どちらかのみが基準値を超えてしまっている場合は、1ヶ月以内に再度血液検査を実施していただくことになります。
糖尿病は初期のうちは自覚症状が乏しいことがほとんどです。そのため健康診断などで発見されることも少なくありません。ただし尿検査のみでは見逃してしまうこともありますので、はっきり糖尿病であるかどうかを診断するためには血液検査を受けることが大切です。
糖尿病と指摘されたり、血糖値が高いと指摘を受けたが適切な治療を受けずに放置していると、糖尿病による様々な合併症を引き起こすことがあります。
糖尿病網膜症は目の奥にある血管が詰まったり、血管から出血が生じることで、急激に視力障害がおこってしまいます。場合によっては失明をすることもあります。なんとなく視界がぼやける、視力が急に下がったために眼科を受診して、自身が糖尿病にかかっていることが分かることもあります。
糖尿病性腎症は徐々に腎臓の機能が悪化し、老廃物が体にたまっていき人工透析が必要となることがあります。人工透析にならないようにするためには、糖尿病の早期発見・早期治療介入が大切となります。
糖尿病神経障害では足の末梢神経に障害がおこり、しびれや痛み、感覚障害が生じてしまいます。糖尿病神経障害が生じると血流障害や感染症も伴うことがあり、場合によっては壊疽してしまう場合もあります。
糖尿病は上記の三大合併症のほか、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞などの病気の発症リスクが上昇したり、創傷治癒能力が低下したりしてしまうことがあります。血糖値が高いと指摘を受けたり、糖尿病の治療を受けている方が身内にいらっしゃる方はお早めにご相談してください。
糖尿病には大きく、1型糖尿病、2型糖尿病に分類されます。
1型糖尿病は体の免疫システムに異常が生じ、何らかの原因で自身のすい臓を攻撃してしまいます。その結果として、すい臓にあるインスリンを分泌させるβ細胞を壊してしまい、1型糖尿病が発症してしまいます。1型糖尿病は比較的急な経過をとることが多く、治療にはインスリンの注射が不可欠となります。
日本糖尿病学会によると日本人の約90%の方が2型糖尿病と診断をされています。2型糖尿病は主に遺伝的な体質に加えて、暴飲暴食、肥満、運動不足、ストレスなどの普段の生活習慣なども要因として考えられています。そのため2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれるのです。1型糖尿病と違い、初期は自覚症状が現れにくく、気付かない間に徐々に病状が進行することが特徴です。
糖尿病の治療は、1型糖尿病と2型糖尿病では異なります。
1型糖尿病はインスリン注射が適応となります。普段の生活習慣や血糖値の状態をみてインスリン注射の種類などを考えていきます。もちろんインスリン注射だけではなく、食事療法や運動療法もあわせて行います。
2型糖尿病の治療には、主に生活習慣の改善と薬物治療(経口薬、注射薬)となります。現在糖尿病の治療薬も増えています。普段の生活習慣や血糖値の状態をみて1種類だけではなく、複数の経口薬を組み合わせることもあります。
糖尿病は特に自覚症状を感じられない病気でもあり、血糖値やHbA1c値が高いと指摘をされても治療を受けずに放置している方もいらっしゃるかと思います。糖尿病と言われても治療せずに放置していると、上述しているように糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。
糖尿病が発症した初期の段階で治療に介入することができると、合併症のリスクを低減させることができます。健康診断で血糖値やHbA1c値で異常を指摘された方や、身内で糖尿病の治療を受けている方がいらっしゃる方はお気軽にご相談してください。
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