2026年10月26日
今年の秋は長雨が続いたためカビによる健康被害が多い年になりました。カビに関して記事を書きます。
カビ(真菌〔しんきん〕)アレルギーは、空気中の胞子〔ほうし〕に免疫が過剰反応して、鼻炎〔びえん〕・ぜんそく・目や皮膚のかゆみを生じる状態です。梅雨〜夏から秋に悪化しやすく、屋内の湿気が多いと通年で続くこともあります。放置すると咳や喘鳴〔ぜんめい〕の長期化、慢性副鼻腔炎の悪化などにつながるため、早めの受診をおすすめします。環境中の湿度・ホコリ・換気不良、エアコン内部の汚れなどが関与します。
カビが関係する具体的な「咳」と「皮膚」の問題、そして家庭でできる対策は以下の通りです。
1. カビが引き起こす「咳」の問題
カビの胞子を気道から吸い込むことで、防御反応やアレルギー反応が起こり、頑固な咳が続くようになります。
カビ喘息(気管支喘息の悪化): カビ(アスペルギルスやアルテルナリアなど)に対するアレルギーがあると、気管支が炎症を起こして激しい咳やゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)を伴う発作が起きやすくなります。
夏型過敏性肺炎: 主に「トリコスポロン」というカビを吸い込むことで起こるアレルギー性の肺炎です。梅雨から夏にかけて室内(エアコン、浴室、キッチンなど)で繁殖しやすく、「家にいると咳や微熱、息苦しさが出るが、外出したり入院したりすると症状が軽くなる」という特徴があります。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA): 喘息患者さんなどに起こることがあり、肺の中でカビが増殖して強いアレルギー反応を起こし、茶色い痰や激しい咳が出ます。
2. カビが引き起こす「皮膚」の問題
皮膚への接触や、皮膚に常在しているカビ(真菌)の異常増殖によって生じます。
アトピー性皮膚炎の悪化・湿疹: カビアレルギーを持つ人が胞子に触れると、皮膚のかゆみや赤みが強くなります。また、汗をかく部位に「マラセチア」という皮膚のカビが増殖し、湿疹を悪化させることがあります。 水虫(足白癬・爪白癬): 「白癬菌(はくせんきん)」というカビが皮膚の角質に感染することで起こります。足の指の間がふやけてむけたり(指間型)、かゆみを伴う水ぶくれができたりします。
家庭でできる防カビ対策 カビの増殖条件である「湿度70%以上」「気温20〜30℃」「栄養(ホコリや汚れ)」を断つことが重要です。
湿度のコントロール: エアコンの除湿機能や除湿機を使い、室内の湿度を50〜60%以下に保ちます。
こまめな換気: 2箇所の窓を開けて空気の通り道を作る、または換気扇を回して湿気と胞子を外へ逃がします。押し入れやクローゼットも定期的に開けてサーキュレーターなどで風を送りましょう。
エアコンの掃除: エアコン内部はカビの温床になりがちです。2週間に1回はフィルターを掃除し、内部にカビを見つけた場合は専門のクリーニング業者に依頼することを検討してください。
水回りの乾燥: お風呂場やキッチンの使用後は、水滴をスクイージーやタオルで拭き取っておくとカビの発生を大幅に抑えられます。
受診の目安
呼吸器の症状: 咳が2〜3週間以上長引く場合や、息苦しさ、ゼーゼーする音が混じる場合は、呼吸器内科やアレルギー科を受診してください。
皮膚の症状: 市販の塗り薬で改善しない湿疹、強いかゆみ、水虫が疑われる場合は、皮膚科での適切な抗真菌薬などの処方が必要です。

